多様な海洋生物の生息地、独島
独島は、地理的に陸地から遠く離れており、人間活動の影響が少なく、東海の深海海域とは異なる新たな海洋生態系を形成している。
また、独島周辺海域は、寒流と暖流が交わる海域で、島効果による湧昇作用で動・植物プランクトンが豊富で、それを餌とする東海の回遊性魚種や鬱陵島・独島の定着性魚種が豊富だ。特に、大小の岩島と岩礁からなる独島は、海洋生物にとって格好の生息地で、多様な海洋生物相が維持されている。(慶尚北道、2012年、鬱陵島・独島エコ観光ガイドブック)
特に、独島は天然の自然環境を維持する清浄海域で、クリーンな環境と豊富な水産資源を有するため経済的·社会的価値が高い。それだけでなく、独島周辺海域には多様な海洋生物相がよく保存されており、独島海洋生物相の研究は汚染によって損なわれた海洋生態系の復元技術の開発に必要な情報を提供してくれる見通しだ。(慶尚北道、2010年、独島叢書)
海藻類
独島の沿岸で2006~2010年に行われた水中潜水調査で確認された海藻類は、ワカメや昆布、のり、天草、ヒジキなど95種だった。
独島沿岸で見られる海藻類は、褐藻類、緑藻類、紅藻類で、このところ種の数が急減している。これは、鬱陵島と同様に、海温の上昇と熱帯性海流の北上、地球温暖化による海洋環境の変化に起因するものと推測される。(慶尚北道、2012年、鬱陵島·独島エコ観光ガイドブック)
独島周辺海域で確認された海藻類の割合(2013年)
< 出典:大邱地方環境庁、2013年 >
アラメ(Eisenia bicyclis)
< 写真作家:金哲換(キム・チョルファン) >無脊椎動物
2006~2010年に独島沿岸で実施された水中潜水調査で確認された無脊椎動物は、アワビやサザエ、ムール貝、ナマコ、エビ、ベニズワイガニ、カメノテなど190種である。
独島の旧船着場、東島の洞窟、西島の北端及び西島の西の潮間帯と潮下帯に生息する底生生物の分布様相は、軟体動物の割合が最も高く、次いで節足動物、刺胞動物、棘皮動物の順だった。(慶尚北道、2012年、鬱陵島·独島エコ観光ガイドブック)
2013年の全体調査で確認された独島の潮間帯の無脊椎動物の出現率
< 出典:大邱地方環境庁、2013年 >
ムラサキウニ
< 出典:海洋水産部 >魚類
2006~2010年に独島周辺海域で確認された魚類は、イカやサンマ、ブリ、フグ、コノシロ、アナゴ、カレイ、ハタハタ、ホッケ、クロソイなど95種だった。
独島海域では、東海岸に生息する魚種に加え、済州海域に生息する亜熱帯性魚種、独島海域を回遊する冷水性魚種が共存している。(慶尚北道、2012年、鬱陵島·独島エコ観光ガイドブック)/p>
ソラスズメダイ
< 出典:海洋水産部 >参考文献
- 慶尚北道、2010年、独島叢書)
- 慶尚北道、2012年、鬱陵島·独島エコ観光ガイドブック)
- 大邱地方環境庁、2012年、2012年独島生態系モニタリング報告書、環境部)
- 大邱地方環境庁、2013年、2013年独島生態系モニタリング報告書、環境部)
- 韓国海洋科学技術院独島専門研究センター http://www.kiost.ac)